３－１堀田美沙樹
みなさんは今日誰かに「ありがとう」と言いましたか？
心を込めたありがとうを言いましたか？
「ありがとう」、
それはとても単純な言葉ですが、
実はとても大きな力を持った言葉だと私は思うのです。
私は今年の春、
国際交流で一週間フランスに行きました。
そして、現地の家庭でホームスティをしました。
フランスではなるべく日本語を話さないようにしようと思っていたので、
知っている限りの英語を使う努力をしました。
日本で２年間も習った英語でしたが、
実際に使ってみると、
なかなか自分の思いが相手に伝わらずに苦労しました。
日本を出発する前日に、
英会話やフランス語の本をたくさん読み、
いろいろな場面での言葉を覚えていったつもりでしたが、
実は、実際にたくさん使った言葉は「ありがとう」でした。
一番初めに「メルシー」を使ったのは、
フランスに着いて２日目です。
パリを観光中にお昼御飯を買うとき、
店員さんの言った値段が聞き取れずに困っていました。
後ろにはたくさんの人を待たせていて、
ドキドキしていた時、
その店員さんは親切にも紙に書いて教えてくれたのです。
その時、自然に私の口からメルシーと言葉が出ていました。
私の心からの感謝の言葉でした。
その発音もままならない「メルシー」という言葉に店員さんはにっこりと笑いかけてくれました。
その時、私は解放されたような安心感を抱いたのを覚えています。
そして、その「ありがとう」言葉で、
今までの私の考え方が変わりました。
私はいつも、
言わなくても分かるだろうと思い、
ありがとうを口に出して言いませんでした。
しかし、フランスに行って初めて、
普段何不自由なくしていた生活が、
言葉が違うというだけで大変になり、
その不安や悩みに温かく手を差し伸べてくれる人のありがたみを心で感じ取ることができたのです。
よく考えてみると、
外国に行った時ばかりではなく、
実は普段の生活の中で人の優しさに触れていることが私たちにはたくさんあるのです。
一番身近にいる人には、
甘えが出てしまい、
素直になれないことが多いです。
ですが、一番に自分のことを考え心配してくれている人は、
そういう自分のごく身近にいる人なのです。
こう思えたことが、
フランス滞在での一番の収穫でした。
大人になっても、
感謝の気持ちを忘れずにこの言葉を言えるそんな大人になりたいです。
そして、「ありがとう」の言葉の大切さを知った私が、
今一番ありがとうと言いたい相手は家族です。
この時まで何不自由なく生活できて、
フランスに行くことにも協力してくれた家族。
そして、さらに自分の夢を応援してくれる家族。
いま改めて、家族のみんなへ言いたいです。「ありがとう」
